目次
上腕骨の近位端と遠位端を覚えたら、次は肘で接する2本の前腕骨を確認する。名前を音で覚える前に、解剖学的正位でどちらが母指側・小指側なのかという関係に戻る。
1.骨の名前を位置と読み方から結びつける
| 日本語(読み方) | English | 解剖学的正位 |
|---|---|---|
| 橈骨(とうこつ) | Radius | 母指側、外側 |
| 尺骨(しゃっこつ) | Ulna | 小指側、内側 |
| 橈骨頭(とうこつとう) | Head of radius | 肘に近い近位端 |
| 肘頭(ちゅうとう) | Olecranon | 尺骨近位部の突起 |
| 滑車切痕(かっしゃせっこん) | Trochlear notch | 尺骨上部、上腕骨滑車と接する |
| 橈骨粗面(とうこつそめん) | Radial tuberosity | 上腕二頭筋が付着する粗面 |
2.肘は単一の接触面ではない
- 腕橈関節(わんとうかんせつ / Humeroradial joint):上腕骨小頭と橈骨頭。
- 腕尺関節(わんしゃくかんせつ / Humeroulnar joint):上腕骨滑車と尺骨滑車切痕。
- 上橈尺関節(じょうとうしゃくかんせつ / Proximal radioulnar joint):橈骨と尺骨の近位での関節。回内・回外に関係する。
上腕骨後面の肘頭窩(ちゅうとうか / Olecranon fossa)には肘を伸展したとき尺骨の肘頭が入り込む。肘頭は尺骨の一部、肘頭窩は上腕骨の一部。
3.上腕二頭筋長頭腱から橈骨粗面まで
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん / Biceps brachii)は、長頭腱が上腕骨近位端の結節間溝を通る。一方、筋の停止は橈骨粗面にある。つまり「腱が通過する場所」と「筋が停止する場所」は異なる。講義『運動器(各論)上肢』p.32も確認。
前腕の**回内(かいない / Pronation)**では橈骨が尺骨と交差するように動き、**回外(かいがい / Supination)**では両骨がほぼ平行になる。内外の名称は正位を基準に覚える。
4.10/30/60秒で手を使わず再構成
理解チェック
骨名を口に出してから、実際にどの突起・面が接するかを思い浮かべる。
Q1解剖学的正位で、前腕の母指側にある骨と小指側にある骨は。
母指側・外側=橈骨/小指側・内側=尺骨
前腕を回内して手をひっくり返しても基準の肢位は変えない。
Q2橈骨頭は上腕骨のどの関節面と関節するか。
上腕骨小頭(しょうとう)
腕橈関節を形成する。
Q3尺骨の滑車切痕は、上腕骨の何と関節するか。
上腕骨滑車(かっしゃ)
腕尺関節を形成する。
Q4肘を伸ばしたとき、上腕骨の肘頭窩に入るのはどの骨のどの部分か。
尺骨の肘頭(ちゅうとう)
肘頭は尺骨、肘頭窩は上腕骨。
Q5回内・回外において橈骨はどの骨と関節するか。
尺骨
近位と遠位の橈尺関節が関わる。回内時は橈骨が尺骨と交差する。
Q6上腕二頭筋が主に停止する、橈骨上の粗面は。
橈骨粗面(とうこつそめん)
上腕二頭筋の停止部。腱は近位部で結節間溝を通る。
Q7胸骨・鎖骨・肩甲骨・上腕骨・橈骨・尺骨の関節関係を肩から肘まで説明せよ。
胸骨—鎖骨(胸鎖)/鎖骨—肩甲骨(肩鎖)/肩甲骨—上腕骨(肩)/上腕骨—橈骨・尺骨(肘)
関節名と、接する部分の名称をセットにする。
Q8「内側端」「外側端」「結節間溝」はどう読むか。
ないそくたん/がいそくたん/けっせつかんこう
端はこの複合語で『たん』、溝はここで『こう』。
音声入力時の誤変換を学習の手掛かりにする
「鎖骨(さこつ)」と「尺骨(しゃっこつ)」、「関節(かんせつ)」と「結節(けっせつ)」、「溝(こう)」と「窩(か)」は音声入力では混乱しやすかった。漢字の正誤だけでなく、位置・関節相手・形状から自己訂正できるようにする。
出典・公開範囲
- 講義にあること: 学内配布・非公開『骨学』(2026)PDF p.68–69、非公開『運動器(総論)』PDF p.2–3、非公開『運動器(各論)上肢』PDF p.31–32・35。
- 一般的な補助資料: OpenStax §8.2。図・文章・表は独自に再構成。
- 講義スライドの画像および元のPDFは公開していない。臨床診断・治療ではなく学習用の説明。